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あの子を探して/ドンペリのコメント

rating33.4000

あの子を探してへのコメント

採点

★★★★☆

推薦数

+1

コメント

この泣かせ方はいい・・・巧いと思いました。 
可愛そうだから泣く、というのではないのよね。

ネタバレ

注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています

レビュー

舞台は、急速に発展する中国の都心とは大違いの、時代が止まっているかのような貧しい山村の小学校。改修も出来ず年季の入ったボロボロの小学校だ。そこにほっぺの赤い純朴な子供たち。
・・・・これだけのお膳立てがあれば、「泣かせに入るかチャン・イーモウ!」と誰もが思うことでありましょう。
ところが‘後半のあるところまで’は、むやみに涙を誘うようなことはしないので、「泣かせないのかな?」なんて余計な思いが過ぎりながら見ていた・笑。
で、「あるところで」一気に込み上げます・・・このもっていき方が巧いんです。油断をしていたのでやられちゃいました。もらい泣きとも違うんです。初めてミンジの熱い心に触れ、嬉しくもあり・・・。



お話は
その小学校の常任教師が母親の看病のために一ヶ月留守にするため、13歳の少女ミンジが代用教員としてやってくるという、考えられない設定で始まる。
当然村長は幼い彼女を見て反対しますが、「こんな山奥に来手はない」という教師の言葉に、しぶしぶ了承する。ミンジは‘報酬の50元’のためだけにやってきたのでしたが、村長も教師も約束の50元を払ってくれる様子がなく、ミンジはお金のことを二人に迫ります。そこで教師はミンジにある約束をさせ、それが守れたら支払うと言い残して、村を去っていきます。その約束とは、貧しさのために生徒が退学し、人数が減ってきているので、教師が戻るまで一人も退学者を出さないこと、というものだった。

この少女ミンジがなんとも言えない魅力があって、稀有な存在感だ。
ブスッと笑い顔もせず仏頂面で、子供が好きそうにも見えないし、授業もイヤイヤやっている。演技だとしても、あまりに自然過ぎる。本名で出ているのでシロートの子なのでしょうかしら、適役の子を探しますね〜。何故かこの少女に惹かれちゃうのも、この子が変わっていくのかな?というこの物語への微かな予測を立てられるからだ。

生徒たちは、手を焼かせるイタズラ坊主のホエクーをはじめ、皆素朴で、演技らしくないのもいい・・ハリウッドの非の打ち所のない子役とは大違いだわね。
極力大人の目線で無駄に手を加えていないように(脚本もあるわけで、そのように演出しているのだと思うが)見えるところが、監督の腕ではないだろうか。


さて、タイトルの「あの子を探して」だが、家が貧しいために町に出稼ぎに出されてしまい、突然学校に来なくなってしまったホエクーを探しに(学校に呼び戻す目的で)、ミンジが無謀と思える方法で一人町に出ることになる。ここからが、本題「あの子を探して」の始まり始まりだ。
ミンジの町での行動を淡々と見続けていたところ、やがて!!クライマックス(ミンジのテレビ出演)で、監督はそれまで溜めに溜めていておいて(笑)、一気に泣かしにかかるのです。巧いですよ〜、これは。私たちは、ミンジの「心の変化」に感動するわけなのです。

本作はミンジの心の成長のお話でもあったのですね。この「お金より大切なものに自ら気付く」というもっていき方が巧いんです。
ホエクーは、自分が「大事に思ってくれる人がいる存在である」ことを知り(恐らく生まれて初めて感じたことでしょう)、生きる力をもらうという心温まるお話でした。少なくともホエクーに、今までのヤケッパチの生き方から脱却出来るであろうことが見え、観客は嬉しくなるのだ。

テレビのお陰で、小学校にはチョークが沢山寄付され、子供たちは一人づつ好きな色のチョークをとっても嬉しそうに選び、ちょっと照れながら、黒板に「一文字づつ」字を書きます。たかが、それだけ。なのに、感動です。学ぶことが出来るということは何と幸せなことでしょう。そんな思いでいっぱいになります。

テレビでこの学校のことが報じられ、沢山の学用品や寄付金が寄せられた。テレビは人助けをしたが、一方視聴率稼ぎのいいネタにしてキャスターが小学校に取材に来た。
振興の町と、教師の使うチョーク一本ですら貴重で大切に扱う山村地帯の対比は、現実的で、多くのことを考えさせられる・・・。


だいぶ前に見たのに、未だによく覚えています。それだけ印象深い映画だったことになります。

評者

ドンペリ

更新日時

2008年07月22日 13時10分

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