★★★★☆
+2
どんな批判があろうとも自分の言いたいことを語る(=自分の作りたいものを作る)。ものを作る人は、それでいいと思うし、また、そうあって欲しい、と私は思う。
目を付けた女性に近寄り、甘い言葉で騙し結婚し、女性の財産を狙い、殺す・・・それを繰り返すヴェルドゥだが、これがそれほど極悪非道の男には見えず、複数殺人犯という残虐性すら感じられず、憎むべき相手には見えない。殺人シーンがないからではなく、そういう人間に見えるように作ってあるのでしょう。
詐欺男になってしまったのは、長年真面目に勤め上げた銀行を いとも簡単に解雇されたため、家庭(本当の妻子)を守るためということを、エクスキューズにしているので。
時折チラリとみせる彼の軽い身のこなしはやっぱりチャップリン!(マチャアキが浮かんで困ったわ)で、コメディ感覚を残しながら、その上で充分なメッセージ性がある。こんな空気を出せるのは、やはりチャップリンならではだろうと思う。
ラストの数分に凝縮されているチャップリンの言いたいことは、60年後の今でも通用する言葉だ。
通常は監督のメッセージを 役者を通して語るわけですが、チャップリンの場合、自らの口で語るところに、私は感動する。
自身の言葉であることは、それだけストレートであり、それに責任を持つことであり、そこ(←この演説内容)には「やるならやりなさい」という強靭な意志が見え、ギロチンを前に少しもうろたえないヴェルドゥこそがチャップリンなのでしょう。
大赦を拒否するヴェルドゥの覚悟も チャップリンの覚悟なのだろう。潔くていいではないか。そんな彼がやっぱり私は好きだ。
2008年07月21日 00時13分
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